元気な闘病記: 2010年1月アーカイブ

 

 治験の終了後の体の状態はとてもよく気持ちが悪いこともなく普通の生活が送

れています。ただひとつ夜になると足や腕がかゆくなり一度かき始めるととまらな

なってしまいます。これは薬とは関係ないと思うのですが、ちょっと困っていま

す。特に風呂あがりはどことなく強いかゆみに襲われます。

 

 もう1つ先月の半ばぐらいから、左腕に痛みがでるようになってしまいました。先

月は仕事がかなり忙しかったのとだんだん寒くなっている為だと思うのですが、今

まで一度も左腕に痛みを感じる事がなかったのでちょっと気になっています。左腕

の付け根の部分が原発部分なので、近くの骨に転移していてとけているのではと

思ったりしてしまいます。

 

 先日、主治医の先生にその話しをしたのですが「大丈夫ですよ」と言って頂いた

ので気持ちが楽になりました。医者のひと事は大きいですね。それを聞いてから

大丈夫、大丈夫、ただの疲れだからと思えるようになりました。でもまだたまに痛

いです。

 

 主治医の先生とは今まで参加していた治験の話ししかした事なかったのです

が、前回の診察ではいろいろな話しをさせて頂きました。私が聞きたかった事は

2つありました。1つは今の肺の転移腫の治療をしたほうがいいかと言うこと。も

う1つはVEGFRチロシンキナーゼ阻害剤AZD2171(cediranib)の第Ⅰ相試験の

話しです。

 

 肺の治療に関しては今は症状がないので何もしなくてよいでしょうとのことでし

た。そして凍結療法やラジオ波の効果とリスクの話しや陽子線治療の話しを教え

て頂きました。肺の治療方法で新たに陽子線治療が加わり選択肢が増えました。

 

 今後の方針ですが、今の時点での私の考えは新たな分子標的薬や血管新生

阻害剤などの治験に参加して行くことです。胞巣状軟部肉腫の患者でなければで

きないことのひとつが新薬のテストだと思っています。

 

 これからは肺の大きさを3ヶ月ごとに経過検察していきながら、新たな治験を待

ちたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運命の出会い

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 前回の診察の後、何気なく本屋に立ち寄るとある一冊の本に釘付けになってし

まいました。まるで運命的な出会いのように数分間その本の前で立ち止まりそし

てその本を手にしました。先ほど先生に次の診察までに今後どうするか考えてき

ますと話しをしたばかりなのでとても衝撃的でした。

 

 緩和医療医の大津秀一さんが書かれた" 死ぬときに後悔すること25 "という

本です。この本を帰りの電車で読んでいたのですが、途中で自宅に着いてしまい

今日残りのページを読むことができました。

 

 1000人の死を見届けた終末期医療の専門家が人生の最期を前に、どのような

ことに後悔するかを25の項目にまとめてそれぞれについて書いたものです。

 

 以下著者のインタビューより

後悔のない人生はないけれど、後悔は少ないほうがいい。

会いたい人に会っておかなかったことを後悔する人。

故郷に帰らなかったことを後悔する人。

子どもが結婚しなかったことを後悔する人。

後悔の数は、人の数だけあった。

「実際、後悔の念が強い人ほど、終末期に、痛みを感じたり、

苦しんだりする傾向がみられます。

一方、人生を納得して生きてきた人、

自分の判断で道を選んできた人、

人生に満足している人は、苦痛も少なく、

よい終末期を送れる傾向がありますね。

できるだけ後悔の少ない人生を歩んでほしい、

そんな願いをこめて本を出しました。

私たち緩和医療の医師は、患者さんの体の苦痛は取り除けても、

なかなか心までは救えない。

究極的には自分の心を救うのは自分しかないんです」

では、後悔のない人生に必要なものは何か。

何ごとも自分の目で見て、自分で考える。

そして、自分で判断することが大切だ、と大津さんは言う。

「自分で出した答えは、たとえ間違ってもいつか納得しえます。

病気の治療も、納得して行うかどうかで、結末も違ってくるんです」

 そしてもう一つ。

「人生に満足しているかどうか、です。

仕事で成功し、裕福になったからといって、その人が幸福とは限りません。

自分と自分の人生をありのままに受け入れて、最期のとき、

振り返った自分の人生を『幸せ』と思えるような、

そんな生き方が理想ではないでしょうか」


 感動のいきを超えて衝撃的な内容でした。ここまで、素直に人の終末期を捉え

た本かあったのかとさえ思えました。私の残りの人生に大きな影響を与えた一冊

の本です。

 

 興味がある方はぜひ読んでみて下さい。

 

 

 

 

 

 


2010年1月1日

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 2010年新しい年がはじまりました。なぜだかわからないのですが、今年は特

の一年になる予感がしています。良いことなのか悪いことなのかわかならない

ですがどちらにしても今までとは違った一年になるような気がしてなりません。

 

 

 今年の1月1日は色々な思いがあり、いろいろな事が頭をよぎっては消えそして

また新しい思いが次々と現れる日になりました。誰にも言えないそんな思いがあ

り、ここにその事だけを記しておこうと思います。

 

 

 

 

 

 

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